外反母趾とは

特徴的な症状は足の母指(親指・母趾)の先が人差し指(第2趾)のほうに「くの字」に曲がり、つけ根の関節の内側の突き出したところが痛みます。その突出部が靴に当たって炎症を起こして、ひどくなると靴を履いていなくても痛むようになります。これまでの調査では、外反母趾は女性に多い病気であることがわかっています。
代表的な症状
  • 靴やハイヒールを履くと足の親指(母指(ぼし))の付け根が痛くなる。
  • 母趾の付け根が赤く腫れている。
  • 母趾が「く」の字状に外側に曲がってきた。
  • 今までの靴が狭くなってきた。
  • 足の裏に胼胝(べんち)(タコのこと)ができ、普通の歩行でも痛くなってきた。
  • 母趾が人差し指(第2趾)の下にもぐりこみ、さらに痛みがひどくなってきた。

要因

遺伝的要因

偏平足や開帳足、母趾関節の不安定性、足趾の長さ、関節が緩みやすいなどがあげられます。特に偏平足や開帳足では足のアーチ構造が崩れ、立位になると足趾の関節が全体的に扇状に広げられます。この場合、靴を履いた時に広がった足先が靴先に圧迫されて外反母趾を誘発すると考えられています。 母趾が第二趾より長いと、靴の締め付けによって母趾が外側に屈曲した足型となり、外反母趾の誘因となります。

非遺伝的要因

肥満による過剰な体重負荷や筋力の低下などによって足のアーチ構造が崩れ、さらにハイヒールや足先の細い靴を履くことで足先に過剰な力が加わって、外反母趾を引き起こすとされています。

当院での外反母趾テーピング処方例

外反母趾は原因や種類が多様なため、それぞれに合ったアプローチをすることが大事になります。弊社ではテーピングによる矯正や、指の牽引やマッサージ、さらに足裏の筋肉を鍛えるトレーニングの指導を行います。

一般治療法

外反母趾の治療方法は保存療法と手術療法があり、保存療法には①靴指導、②運動療法、③装具療法、④薬物療法があります。

保存療法

01.靴指導

痛みの軽減および変形の進行を抑えるため、拇趾のつけ根がフィットして指先はゆったりとした形で、ヒールは低く、柔らかい素材の靴が推奨されています。

02.運動療法

足の指を開く体操やストレッチが検討されます。

03.装具療法

足の裏のアーチ構造を保ち、正しい形状を維持するための足底板や、親指の位置を正しく矯正するための装具の装着が検討されます。

04.薬物療法

痛みを和らげるための消炎鎮痛薬や湿布の処方が検討されます。

手術療法

変形が進み保存療法では痛みが抑えきれない場合は、手術療法の適応となります。前述のように手術の術式は多数あり、変形の程度、足全体の形、体形、年齢、関節リウマチなどの合併症の有無、仕事内容、入院できる日数などを考慮して最適な術式を選択します。最も一般的なのは骨切り術といって、中足骨の一部を切除して変形を矯正する方法ですが、切除の仕方もいろいろあります。

外反母趾は症状が悪化すると靴を履かない状態でも痛みが生じ、手術に至る場合もあります。一般的に女性が発症する印象が強いですが、近年は裸足で過ごす時間が減少していることにより、足裏の筋肉が衰えやすいので、男性や子供でも外反母趾になることもあります。治療や予防は早ければ早いほど効果が出るので、足が少しでも気になる方は歩行分析機による歩行改善メニューやインソール処方を行い、痛みを未然に防ぎましょう。

外反母趾が良くなることで、歩きやすくなる、痛みなく靴が履ける、姿勢が良くなる、など日常の中での体の負担やストレスが減り生活の質もよりあがります。 外反母趾をケアしてストレスなく過ごしやすい毎日を送りましょう